「組織の問題解決を、その答えを提供することによってではなく、答えを導くプロセスを支援することによって、自ら解決することを促すコンサルティング」と我々は定義しています。

　減量をしようとしている人がいるとしましょう。この人にダイエットの方法を教えるのも一つのやり方ですが、実は多くの人が減量する方法は知っているのではないでしょうか。適度な運動と食生活の改善です。しかし、何らかの理由でそれを実行できないでいる。

プロセス・コンサルテーションでは、この人の生活習慣を観察し、一緒になって肥満につながる行動を取り除き、健全な生活習慣を身につけるように促します。 　組織の問題も同様です。多くの組織が、実は自ら解決策を知っているものです。何らかの理由で、それを認識し、実行に移すことに苦しんでいるのです。

営業効率を、抜本的に高めたいと考えているクライアントがあるとしましょう。我々のコンサルタントがその組織に入り、つぶさに営業組織の行動を観察します。何が障害になっていて正しい組織行動が取れないのかを分析し、その障害を取り除く方法をクライアントと共に考えます。例えば、それは、営業部長の指示が、営業マン一人一人の行動に反映されないということだとしましょう。指示が抽象的で営業マンが行動レベルで理解できないのか、理解はしているが、そのように行動することを妨げる何かがあるのか。それを解明し、新しい組織行動を促します。部長が指示の出し方を変えないといけないのかもしれません。部下が行動を変えるインセンティブを実施しないといけないのかもしれません。いずれにしろ指示が行動につながる運営のリズムをつくり、定着を図ります。問題にもよりますが、通常このような活動には3ヵ月から半年程度を要します。