「明解なビジョンがあり、情熱をもって人々を導き、フォロワーのやる気を引き出すことでビジョンを実現すること」と我々は定義しています。多くの専門家が指摘するように、リーダーシップは後天的に獲得することが可能であるとも考えています。
90年代以降、米国では、このリーダーシップのスタイルに変化が起こっているという研究者の指摘があります。従来は、”強い”トップが「あの山へ登れ」と指示し、フォロワーがそれに従うというものだったのに対し、より部下の意見を尊重するインタラクティブなスタイルに変わっているというものです。科学的な観察ではありませんが、どうも同じような傾向が日本でも現れているように思います。指示命令するよりは、引き出し、触発し、議論をかみ合わせ、実行を促すリーダーが増えているのではないでしょうか。我々はそれをファシリタティブなリーダーと呼んでいます。
リーダーは、人を管理することによってではなく、動機付けることによってリードします。そのためには、危機感に裏打ちされたビジョンを共有し、巻き込み、行動の変化を促さなければなりません。また、その行動の成果が現実に現れてこなければ、人は離れていくことになります。すなわち比較的短期間の間に、成果を挙げて方向性が正しいことを人々に体感させる必要があります。さらに変革の勢いを持続する仕組みを組織の中に組み込むこともリーダーシップを継続するための重要なスキルだと考えています。
我々のリーダーシップ研修では、クライアントニーズに応じてカストマイズされたプログラムをご提供いたします。
例えば、変革リーダーとして不採算部門の建て直しをリードしようという場合、実際の課題を持ち込んでいただき、その内容に沿った実践的な研修を設計、ご提案させていただきます。具体的には、現実の課題の中で、リーダーとして必要な5つの資質について振り返ることでマインドを養い、また必要なスキル研修を受けていただきます。スキル研修は、変革をリードするための7つのスキル(図参照)に沿ったファシリテーション、コーチング研修が中心となり、ケーススタディ、ロールプレーを通じて、実務に使えるスキルを習得していただきます。
情熱
先見性
学習能力(謙虚さ)
動機付け
行動力
拙著「ザ・ファシリテーター」でリーダーズ・インテグレーションを紹介させて頂いたところ大きな反響を頂きました。これは従来 New Leaders Assimilation(新任管理職同化)と呼ばれ、多くの欧米企業で利用されている手法ですが、新任に限らずリーダーたるもの定期的に実施し、自分と部下との関係性をチェックしておくべきだと考え、あえてリーダーズ・インテグレーションと日本人にもわかりやすいカタカナ英語に直して紹介しました。3~4時間かかるプロセスですが、実際にやってみるとその効果に驚かれることでしょう。本来の狙いとは異なるのですが、リーダーが自らの問題意識をあらためて浸透させるためにも非常に有効な手法であることがわかります。これは後述する「納得の構造」とも関係があるかもしれません。
1. | リーダーが自己紹介を兼ねて今年の目標と抱負を述べる | 15分 |
(リーダー退場) | ||
2. | アイスブレーク:リーダーについて知っていることを挙げてもらう | 20分 |
3. | リーダーについて知りたいことを挙げてもらう | 45分 |
4. | あわせて、リーダーに知っておいてほしいことも挙げてもらう | 10分 |
5. | 今年の目的を達成するために皆にできることを挙げてもらう | 30分 |
(全員退室、リーダー入室) | ||
6. | ファシリテーターが議論の内容をリーダーに説明 | 20分 |
(全員入室) | ||
7. | リーダーが壁に貼られている質問やコメントに応える | 45分 |
8. | 飲み会(重要です) | |
※目標達成のためのアクションプランについては持ち越して議論する |
リーダーズ・インテグレーションをやってみた社長のブログ
>>http://blogs.itmedia.co.jp/arc/2006/08/post_1c2a.html
>>http://blogs.itmedia.co.jp/tooki/2006/08/post_7141.html